【LAST CENTURY POST-MODERN】
私はカントを読むために、大学の1年からあったゼミの授業以外、1年の春学期は授業にほとんど出なかったです。その時、岩波文庫にあったカントの著作は大体全部読みました。
諸学問の基礎として、『純粋理性批判』『判断力批判』『啓蒙とは何か』を読んでおくことは大学の学問を始める前に非常に良いと思っていますし、本当は全大学生に必須にしても良いことだとも思っています。(と、いうことは今月お会いした、柴山昌彦文部科学大臣には言わなかったですが)
理性の限界内で言えることを確定せずにどんな学問を積み上げられるのかと思うので。
カントは、
悟性-大陸合理論(演繹法)と
感性-イギリス経験論(帰納法)
の綜合だと思いますが、
実は、砂浜に描かれた顔が波に洗われ消えてゆくというように近代的主体(私の解釈では悟性的なもの)を批判した、「私がない」(つまり私の解釈では感性のみの)20世紀ポストモダンも、
「認識は感性と悟性の結合によってのみ得られる」
と『純粋理性批判』(1781)に書いていたカントに、18世紀にあらかじめ批判されていた、
と思うのです。