「哲学の役割は、(新しい現実を表す)概念(コンセプト)の創造だ」(cf.ドゥルーズ&ガタリ『哲学とは何か』←これも先週の東洋大学の講演で言及しました!)という観点から言えば、アーティストと哲学者はそれほど変わらない。
そして、前衛的創作とは、新しい現実を観て、自分でそれを反復すること(見るとは語り直すこと。語り直せないものは、見ることもできない。)。
正確にいえば、見るとは語りなおすこと、すなわち絵を再度、描きなおすことである。いうまでもなく、語れないことは、抑圧され、永遠に忘れ去られ視界から隠されてしまう。絵はいつでも夢に似ている。それは語られること、すなわち作りなおされることの中にだけ存在する。絵は誰の視線にも開かれているようだが、誰もが同じ絵を見ているわけでも見えるわけでもない。その絵がそのように在ると思えるのは、存在が確かめられるのは、ただ語りなおすという行為によってだけであり、つまり語りうる者、絵を描きうる者だけが絵を見るのである。
岡崎乾二郎『マニエリスム論序説 信仰のアレゴリー』1992年1月『批評空間』第1期4号所収
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